株式会社ビオネスト

介護

異業種連携が「介護イメージ」を変え、いつか「小・中学生が学校帰りに立ち寄る施設」に!

2023.02.13

製造業も、販売業も、介護も『誰かの役に立つ』という根っこは同じ!

「同じ根っこ」と「異なる文化」をつなげる異業種連携で「介護のイメージ」を変え、

いつか「小・中学生が学校帰りに立ち寄れる介護施設」に!

 

■記事概要

「製造業も、販売業も、介護も『誰かの役に立つ』という根っこは同じ!」

 このことに改めて気づけました。と語ってくれたのはデイサービス笑楽長原店の船山さん。彼も大阪市(大阪産業局)とビオネストグループで連携開催した「介護イノベーション共創ワークショップ」に協力してくれた現場リーダーの一人です。

船山さん自身も介護業界に入る前は、製造業や販売業で働いていました。その彼が、今回の取り組みで介護施設に訪れた「異業種の方との触れ合い」で確信したことが、「誰かの役に立つ」という根っこは同じだと言うこと。

また、「普段いない人が、デイサービス笑楽長原店にいる。しかも、異業種の方。」という刺激が、職員にも良い影響を与えてくれたとのことです。

異業種連携で介護のネガティブイメージを払拭して、介護の仕事をする人の継続率を上げたい!そして、小学生や中学生が学校帰りにふらっと立ち寄れる介護施設にしたい!彼の言葉には、介護の仕事への想いが溢れていました。

単に介護現場で本当の意味で役立つ新製品やサービスを一緒に生み出すだけでなく、ご利用者にも従業員にも「良い刺激」を与えることができる「異業種連携」という取り組みを、これからもビオネストグループでは継続していきたいと考えております。

 

■記事詳細

ここからは、デイサービス笑楽長原の管理者 船山に今回の「ボランティア型フィールドワーク」についてインタビューした内容をご紹介させていただきます。

・インタビュアー:お忙しいところインタビューのお時間いただきありがとうございます。本日は、大阪市・大阪産業局とビオネストグループで共同開催した「介護イノベーション共創ワークショップ2022」への参画について、お話をお聞かせください。このワークショップは、「大阪市、初」の取り組みとして、大阪市内にあるビオネストグループの介護施設を異業種の方に「実証フィールド」として開放し、介護現場の課題を一緒に考えてもらうという取り組みです。

 

この取り組みの一環で、船山さんが担当するデイサービス笑楽長原店にも異業種の方が来られたと思います。どなたか印象に残った方はおられますか?

・船山:私の施設には、化粧品会社の方とグローバル企業の社長さんが来られました。化粧品会社の方は、女性は高齢者になっても「キレイでいたい」という想いは一緒だから、高齢者向けの化粧品を開発したいという想いをお持ちでした。ボランティアをしながら、黙々とメモを取られていた姿が印象的でした。また、グローバル企業の社長さんは、幅広い知見をお持ちの方で、様々な話をしてくださいました。介護業界が良くなる商品を創りたいという想いをたくさん語ってくださり、職員を盛り上げてくださいました。また、経営者視点で、「こうすればもっと施設が良くなる」などの貴重なご意見をくださいました。

・インタビュアー:ありがとうございます。このワークショップに参加されている企業の方は、どなたも「介護業界を良くしたい」という熱い想いをお持ちの方が多いので、ボランティアに来られた際に現場にもよい影響があったようですね。

 

では、さっそく一つ目の質問です。今回のワークショップは介護業界と業界外の異業種の連携がテーマですが、そういった「異業種連携」の「意義」について、船山さんはどうお考えですか?

・船山:私自身がもともと一般企業で技術職・営業職を経験して、介護業界に来た人間なので、この業界に入る前は「介護は大変」というイメージを持っていました。また、「デイサービス」という言葉は、世の中に浸透していますが、具体的にどういった施設なのかまではピンと来ませんでした。やはり、施設に来て、体験して、触れて、学んで初めて、「介護のリアル」を理解いただけるものだと思います。思っているより、大変でない部分もあれば、思っているよりも大変な部分もあります。しかし、製造業も販売業も、介護事業も「根本的なところは一緒」だと思っています。それは、「誰かのためにある」という根本です。企業文化が異なるだけで、「誰かの役に立つ」という根っこは同じです。製造業には、製造技術が重なって、文化を創り、介護事業は介護技術が重なって文化を創っています。異なる文化だけど、「誰かの役に立つ」という根っこに気づける。そのベースで意見交換を行う異業種連携は、新しい価値を生み出す非常によい取り組みだと思います。

・インタビュアー:なるほど。製造業も、販売業も、介護業も、「誰かの役に立つ」という根っこは一緒、文化が異なるだけ。同じ根っこを持つ企業が意見を交換する機会はとても貴重で社会的に価値があるものだと思います。

 

では、二つ目の質問です。船山さんの個人的な意見でよいので、こういった製品やサービスが介護業界にあればよいな、というものありますか?

・船山:介護の仕事は思っているよりも肉体的負担が大きいことは事実です。ですので、介護現場で働く職員の肉体的負担を軽減できるものがあればよいなと思います。今、介護ロボットが広まっていますが、装着すること自体が大変なものも多いため、簡単に装着できて、すぐに負担を軽減できるものが誕生すればよいなと思います。例えば、介護職員の高負荷になっている「入浴介助」ですが、腕と腰にかなりの負担がかかります。一人あたりの入浴時間も限られているため、時間との勝負で、どうしても無理をしてしまいがちです。賛否両論はあるかもしれませんが、入浴介助の負担を軽減してくれる「入浴介助サポートロボット」があれば、職員も喜ぶと思います

・インタビュアー:なるほど。確かに「入浴介助」は暑くて、しかも、腰や腕に負担がかかりやすく、痛めてしまう職員も少なくないと聞きます。しかし、ご利用者にとっては「入浴」は愉しみの一つなで、「介護する側としても出来る限りのことはしてあげたい」その想いを叶えるアイデアが「入浴介助サポートロボット」なんですね。

 

では、3つ目の質問です。異業種連携で解決できたらよいなと思う「介護現場の課題」な何だと思いますか?

・船山:どこの施設も同じ悩みだと思いますが、「人手不足」だと思います。しかし、この「人手不足」も、実は誤解されている部分がありまして、介護の仕事ができる「人数」はたくさんいるのです。問題は、介護の仕事をする人の「継続率」が低いことだと思います。介護の仕事をする人を増やすことももちろん必要ですが、介護の仕事をする人が「長く働ける環境整備」が異業種連携で加速するとよいなと思います。また、介護はネガティブイメージが先行しているため、そのイメージを転換するために「異業種連携」は非常によいキッカケになると感じています。業界を知らないからこそ、率直に言っていただける「介護の仕事は素晴らしい!」という言葉や「介護の仕事をする人は、すごい!尊敬する!」といった言葉は、介護業界の中にいる私達以上に 多くの人に届くと思います。ネガティブイメージ以上にやりがいのある「誇り」のようなもの、例えばご利用者からの「感謝」などをもっと広く発信していきたいです。

・インタビュアー:ありがとうございます。介護の仕事をする人が「長く働ける環境整備」を異業種連携で加速できると素晴らしいですよね。また、介護業界の外にある異業種の方だからこそ「介護の良さ」がより伝わるという点も、異業種連携のメリットかもしれませんね。

 

では、最後の質問です。こういったボランティアに異業種の方が来られることによる「介護現場のメリット」は何だと思いますか?

・船山:「普段いない人が、施設にいる」ということが職員のプロ意識を高めたと感じました。この取り組みを職員に説明する際に「普段の自分たちを見てもらおう。格好をつける必要もない。ありのままの自分たちを見てもらおう」と伝えたのですが、ありのままの自分たちが働く姿がボランティアに来られた異業種の方に良い影響を与えた出来事がありました。グローバル企業の社長さんからは「上司が指示を出さなくても、職員が自発的に動いている」ことを褒めていただきました。やはり組織を盛り上げるためにやることは、介護だろうと製造業だろうと一緒だと確信しました。ビオネストグループでは、お笑い芸人の方とのコラボ企画などもありますが、こういった取り組みが介護のイメージを変えて、新しい発想につながっていくのだと思います。個人的には、小学生や中学生が職業体験に来てくれたり、ふらっと学校帰りに立ち寄ってくれるような介護施設を創りたいと思っています。

・インタビュアー:いいですね!次世代を創る小学生や中学生がふらっと立ち寄ってくれる介護施設。ぜひ共に創り上げていきましょう。本日は、大変お忙しい中、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。